1999年第6期(11〜12月)作品
今期のテーマは『お正月』 『師走』 『心』の3つです

パワーマンさんの作品

投稿作品のテーマ:心
タイトル:最高の友達、永遠の絆・・・

もうすっかり寒くなったね。
でも、いま美紗緒はとっても暖かいんです。だってお友達と一緒だから・・・
あなたにもお友達はいるんでしょ・・・どのくらい?ひとり、ふたり、
いいえもっとたくさん?
わたしには・・・たったひとりだけ。でも、わたしにとっては、最高のお友達なの。

同じクラスでわたしのすぐ隣の席にいる、水色の髪の女の子。
元気で、楽しくて、優しくて、わたしをいろいろと助けてくれたりして、
あんまり楽しくて幸せそうだからその子の顔を見る度にわたしの中から
嫌なこと、つらいことがスゥーッと抜けていく、本当に不思議な女の子。

でもね、いつも笑ってばっかりじゃなかったの。
ある日とても悲しい出来事があったとき、彼女はわたしに抱きついて、
いっぱい泣いた。
こんな砂沙美ちゃんを見るのは初めて。最初わたしはびっくりしていたんだけど、
砂沙美ちゃんを見ているうちにわたしまで悲しくなってきちゃって・・
どうしてわたしに抱きついて泣いたの?いつもあんなに元気で、あんなに
笑って、いつもわたしを助けてくれていたのに、なぜわたしなんかに・・・
砂沙美ちゃん、とっても悲しそうだった、肩も震えていて・・・
結局わたしは、彼女の涙が涸れるまでなんにもしてあげられなくて、
ただ見ているだけだったわ。

わたしって砂沙美ちゃんにひどいことばっかりしていた。でも、彼女は
わたしを恨むことなく、本当の「お友達」としていっしょにいてくれた。
それなのに、わたしったら彼女に対していけないことすら考えて・・・
ああ、そんな自分がすごく恥ずかしい。

彼女がわたしのことを「友達」と言ってくれたときは、嬉しかった。
もう、言葉では現せないぐらい。
気が付くと、わたしの頬を涙が一滴、二滴と・・・

そして今その最高のお友達はわたしのすぐ目の前にいる。手を握って、
わたしの瞳を見て、にっこりとして。

わたしを見つめる瞳はとってもきれい、そしてその微笑んだ顔が、
とってもきれい・・・

パワーマンさんによる後書き

どもっ、パワーマンです。詩人さんデビュー一周年記念ということで、こんなの書かせて
頂きました。
いやあ、美紗緒ちゃん、いい友達に巡り会えてとってもよかったですね。でも、
なぜ彼女が砂沙美ちゃんのようなとってもステキなコとお友達になれたのかと言いますと、
それは間違いなく彼女の中ににステキな部分があるからでしょう。(彼女自身はそのこと
に気が付いていなかったようですが)
いやあホントにお友達ってイイですね。
では、みなさん、よいお年を

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